B.fragilisとは何者?

そんなに有望な菌であるB.fragilisとはいったいどのような最近なのだろうか。一般的には嫌気性グラム陰性桿菌に属し、いわゆる腸内細菌フローラの一員であることが報告されている。最近ではポリサッカロイドAという分子をこの細菌が産生し、ホストの免疫機能を正常に保つよう調整しているという論文もある。

つまり、B.fragilisは腸の炎症を抑制している可能性があるのだ!

炎症を制するものはがんをも制するであろう。

なんとなく免疫チェックポイント療法の成否に関連しているかもしれないということが見えてきたようなこないような。

有望な他の細菌はないのだろうか。

実はいろいろと見つかってきているのだった!

腸内細菌によって抗腫瘍新免疫療法の成否が決まる!

少し古いのだが、学術雑誌のサイエンス誌2015年350巻号に掲載された記事によれば、ネズミの実験におけるCTLA-4ブロック療法(オxジーポはPD-1のブロック療法)では、腸内細菌の種類として、B.fragilisなどの細菌が含まれている場合の抗腫瘍効果が一段と優れているという結果が示されている。

腸内細菌によって抗ガン剤の効果が変わるのだ!

以後も結果的には類似の報告が相次いでいるので、このことはほぼ事実であると推論できる。気になるオxジーポの場合の結果なども後で紹介するとして、このことはすなわちがんへの治療概念を変える画期的な発見ではないかと思われる。

その効能メカニズムについてはいろいろと議論されているが、

カニズムは不明!!

というのが2021年今の現状である。

創造の翼を大きく広げて考えてみると、腸内細菌によってがんが治りやすいか治りにくいかが決まるともいえる。もっと妄想すれば、腸内細菌によってがんが発生しやすいか発生しにくいかがきまるのではないだろうか。

 

腸内細菌フローラ

腸内細菌はヒトの場合100兆個以上の細菌集団で、種類も数千以上で成り立っている。食事ごとに腸内細菌の種類と数とに微妙な変化が生じるし、もちろん個人差も多い。年齢とともに変化する。フローラとはお花畑の意味だが、種々の細菌が腸内で咲き誇っている様子を想像させる。そこで腸内細菌フローラは何をやっているのかというと、基本的には消化吸収の補助だが、ビタミンの産生や外来異物の解毒などの役割も担う。

10人十色の腸内細菌フローラである。

性格や病気のなりやすさそして免疫機能とも関連が指摘されており、世界的な規模での研究途上にある。

やせ菌や神経活性化菌、ストレス耐性菌、免疫賦活菌、抗アレルギー菌などの報告もあるくらいだ。

潰瘍性大腸炎という病気があるが、この病気の原因は不明なのだが、腸内細菌の関与が考えられている。というのは健康な人の腸内細菌を潰瘍性大腸炎の腸内細菌と入れ替えるという大技で、症状の大幅な緩和が認められたからである。健康な人の腸内細菌というのも一定ではないので、移植効果が認められなかったこともある。

どの種類の細菌が効果を担うのかまだ完全には判明していない!

興味深い点は、潰瘍性大腸炎が発がんの危険性のある病気であるということ。潰瘍性大腸炎を改善させられるということは、すなわち、発がんの可能性を低下させられるということにつながるのだ。

 

食べ物は大事だぁ

今日からブログをはじめました。

さっそくですが、食べることは大事な人生の一部である、からスタートします。

人生とは、食う、寝る、遊ぶの中にこそその本質的意義が隠されていると思います。

筆頭が食うだ!

美食のことも書きたいけれど、スタートなのでまずはまじめな話である食の効能から。

医食同源とか薬食同源といって、食べる内容によって病気を治したり防いだりすることは古来言われています。

それって何で??

これまでの栄養学の進歩から、不足する栄養素があると病気になる。今や当然!

しかし最近の生命科学によれば、食べ物が腸内細菌に働きかけて、腸内細菌が神経や免疫にも影響を与えているとのこと。

例えば?

研究途上ではあるが、薬では完治が難しい花粉症・認知症・鬱・そして癌などにもドドーンと効果がある場合が示されている。

そんなバカな??

そう思われるのも当然といえば当然なのですが、まずは重大で気がかりな癌の話から。

免疫チェックポイント療法といってノーベル賞受賞の研究成果であるオプxーポなどが有名であるが、それ以外の分子標的もある。モノクローナル抗体で標的をマスクする。

これらの治療薬の有効性は末期がんでおよそ20%程度を誇る(以前ならほぼ0%だからすごい)が、20%が微妙なところではある。オレもオレも20%に入る筈と思う人多数。

ところが、この20%という数字をコントロールしているのは腸内細菌であるという著名論文が複数報告されているだ。

次回から、ここのところをすこーしばかり詳しく説明してみよう。

はじめに断わっておくと、初心者で毎日のブログUPは少々きついのでご了承のほどを。